
SCSKサービスウェアでは、障がいの有無にかかわらず社員一人ひとりが安心して働ける環境づくりを進めています。
その取り組みの一つとして、現場管理者が障がい特性への正しい理解を深め、実務での適切なサポートに繋げるための動画研修を導入しました。
インタビュー前編では、動画研修づくりの中心を担った奥井さんと青木さんに、動画選定の工夫や想いについて詳しく伺いました。
- 経験の幅が今の支援をつくる
- 障がい者採用の方が働きやすい環境へ 動画研修づくりのプロセス
- 取り組みを通して見えた、支援の広がりと自身の成長
- 現場で本当に役立つ情報を提供するために
- 理解から始まる、安心して働ける環境づくり
【プロフィール】
■奥井 潤/事業サポート部門 業務サポート部 第一課/2002年中途入社
入社後、島根・岩手・大阪・沖縄など各地で勤務し、コールセンター業務から総務、施設管理、派遣スタッフ管理まで幅広い領域を経験。現在は新宿第二センターで総務業務を担当するとともに、部門間接として調査対応や依頼業務にも従事している。当事者としての経験を踏まえ、障がい特性理解に関する動画研修づくりでは、現場管理者が実務で活かせる情報の収集・選定に携わり、支援体制の裏側を支える役割を担った。
■青木 陽子/事業サポート部門 業務サポート部/2024年中途入社
入社前は、食品会社の専門問い合わせ対応、電機メーカーや監査法人での役員秘書業務など、多様なバックグラウンドを持つ。生まれつき心臓の障がいを抱えており、「自分も誰かの力になりたい」と考え、当社へ入社。2024年6〜7月に企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)資格を取得後、特性把握シートの作成、支援体制構築、定着支援面談などを担当。現在は、「定着支援チーム」として障がい者活躍支援に継続的に携わり、現場に寄り添う支援の中心的役割を担っている。
経験の幅が今の支援をつくる
Q. これまでの経歴について教えてください。
奥井さん:
私は2002年にグループ会社である旧島根CSKへ入社し、その後の合併を経て現在のSCSKサービスウェアに在籍しています。
入社当初は島根で勤務していましたが、その後は岩手・大阪・沖縄と転勤を重ね、2012年に東京へ異動してきました。
現在は新宿第二センターで総務を担当しつつ、部門間接として調査業務や依頼対応にも従事しています。
青木さん:
私は大学で家政学を学び、卒業後に管理栄養士の資格を取得してから、食品会社のコールセンターにて専門的な問い合わせへの対応に携わりました。
医療従事者や持病のある方からのご相談に対し、専門知識を踏まえて回答を行う二次対応が主な役割で、約5年勤務していました。
その後は、電機メーカーをはじめ、監査法人や信託銀行にて、10年以上にわたり役員秘書として日程調整や会議運営など、幅広い業務を経験してきました。
私自身、生まれつき心臓に障がいがあり、企業の中で多くの方に支えていただきながら経験を積んできました。
その経験から、「今度は自分が誰かの力になれる仕事がしたい」と思うようになり、より多くの方が安心して働ける環境づくりに携わりたいと考え、当社の障がい者採用に関する取り組みに魅力を感じて入社しました。
入社後は総務業務を経験した後、障がい者採用枠の方々の定着支援に関わる業務を担当し、面談手法の整備や特性把握シートの作成、支援フォロー体制の構築に取り組みました。
現在は、業務サポート部の「定着支援チーム」の一員として、継続的に障がい者活躍支援に携わっています。
奥井さん:
私自身、現在は精神疾患と向き合いながら働いています。
普段の業務は定着支援を主軸としているわけではありませんが、今回、青木さんたちの取り組みで情報収集や資料調査に携わる機会をいただいたことで、職場環境づくりへの視野が大きく広がりました。
自身の経験も一つの視点として活かしつつ、今後もこうした取り組みにはぜひ積極的に協力していきたいと考えています。
障がい者採用の方が働きやすい環境へ 動画研修づくりのプロセス
Q. 今回お二人が行った障がい者採用の方が働きやすくなるための取り組みについて教えてください。
奥井さん:
当部では、ご縁あって入社された方が長く働ける環境を整え、定着できるよう支援を行うことが必要だと考えています。
いくつかの課題の中でも、現場での理解醸成は、当事者のためだけではなく、一緒に働く同僚や上長の負担を軽減するためにも必要です。
その取り組みの一つとして、障がい者採用の方(身体・精神疾患を抱える方々)の病名や病態、概要、就業上の配慮事項を、専門知識がない方でも理解できる内容の動画研修を作成しました。
私はその一環として、インターネット上から信頼できる解説動画を探し出し、候補を複数ピックアップする役割を担いました。
まずは「精神疾患」をテーマに選定を進めることになり、私自身が精神疾患を持っていることから、「もし自分が教わる側なら、どのような内容が分かりやすいか」という視点を大切にしながら動画を探しました。
専門家ではない立場だからこそ、一般の社員の方にも理解しやすいかどうかを重視し、一つの病態につき20本ほどの候補を集める形で取り組みました。
青木さん:
奥井さんが膨大な候補動画から一次選定を行ってくださったおかげで、円滑に進められたと感じています。
動画共有サイト上には、専門家が丁寧に解説している動画もあれば、内容の信憑性に疑問が残るものも多く、初期段階から着手していたら、選定は難航していたはずです。
奥井さん:
自分の判断では選びきれない部分も多かったので、最終的には青木さんや上長の視点で、第三者的に整理していただく必要がありました。
一つの病態につき2〜3本に収めるため、エビデンスがあるか、説明が分かりやすいか、必要なポイントが押さえられているかなど、かなり細かくチェックしていただきました。
青木さん:
私の方では、特に「誰に向けた動画なのか」を常に意識していました。
今回の視聴ターゲットは現場管理者ですので、専門用語ばかりで理解が難しいものや、長時間の動画は適しません。
職場でのコミュニケーションの取り方や、配慮が必要なポイントをイメージできることが大切です。
そのため、エビデンスの確かさ、発信者の信頼性、そして視聴しやすい長さであるかの三点を基準に絞り込んでいきました。
また、今回改めて感じたのは、「視点の違い」を組み合わせることの重要性です。
当事者としての奥井さんの視点、ジョブコーチとしての私の視点、そして実際に部下を迎える管理職である上長の視点、この三者の視点がそろって初めて、現場で本当に役立つ動画が選べると実感しました。
例えば、現場管理者の方が見たときに「専門用語が多くて分からない」「結局どう接すればいいのかイメージできない」という内容では意味がありません。
そのため、3名の視点で多角的に確認しながら進めたプロセスそのものが、今回の取り組みの価値につながったのだと思っています。
奥井さん:
動画を探し始めてから最終選定まで、結果的に5ヶ月ほどかかりました。
多くの時間はかかりましたが、現場管理者の方々にとって実際に役立つ内容にしたいという思いがありましたので、必要なプロセスだったと感じています。
青木さん:
最終的に、14の病態それぞれに対して選定した動画がまとまり、2025年9月に社内システムで全社員が閲覧できるような形で公開されました。
公開後のアンケートを見ると、現場管理者向けに展開したコンテンツでしたが、現場管理者以外でも自主的に関心を持って受講してくださる社員が一定数いることが分かりました。
身近に障がいのある方がいる部署や、より理解を深めたいという方が受講しているのだと思います。
また、動画研修を受講した社員のうち、91%が「理解が深まった」と回答しており、
本コンテンツが幅広い層にとって有意義な学びの機会になったと感じています。
奥井さん:
こうした取り組みを通じて、障がい者採用の方が働きやすい環境づくりが進むことを願っていますし、現場管理者の皆さんにとっても、受け入れの不安を軽くできる道しるべとして活用いただけたら嬉しいです。

取り組みを通して見えた、支援の広がりと自身の成長
Q. この取り組みを通して感じたやりがいについて教えてください。
奥井さん:
今回の取り組みを通して、社員の誰もが少しでも働きやすくなるための一助になれたのではないか、と強く感じました。
誰しも、長く働く中ではライフステージや体調の変化が訪れる可能性があります。
その際に、周囲の知識や理解があれば、心理的な負担を軽減し安定して働き続けられる場面が増えるはずです。
障がい者採用で入社された方はもちろん、いま健やかな状態で働いている方にとっても、環境づくりは、組織として大きな価値があるのではないかと思っています。
ちなみに、個人的には、ジョブコーチとして活動する青木さんに面談でお世話になっている立場でもあります。
知識を持つ方に定期的に話を聞いていただくだけで、こんなにも安心できるのだと実感しました。
また、私の状況をふまえて上司へ働きかけていただいたことで、働きやすさが確実に変わったと感じています。
だからこそ、この取り組みが社内にもっと広がれば、自身と同じように、安心して働ける社員が増えると確信しています。
定着支援チームの取り組みを知り、私自身もジョブコーチへの挑戦を検討し、メンタルヘルスに関する資格を勉強するようになりました。
当事者だから分かる感覚に加えて、体系的な知識を持つことで、よりロジカルに説明ができ、周りの役に立てるのではないかと思ったからです。
今回の取り組みが、自分自身の成長にもつながっていることは、とても大きな喜びです。
現場で本当に役立つ情報を提供するために
Q. 今回実施した「一緒に働く障がい者の特性を理解してもらう研修」の提供を行うにあたり、意識したことについて教えてください。
奥井さん:
今回の研修の提供にあたり、私が一番意識したのは、「現場管理者の方々が具体的な理解を持てる内容にすること」でした。
というのも、私自身が疾患を発症した当時は、周囲に専門的な知識を持った上司や支援スタッフ制度が整っておらず、上司や同僚も私にどのように接すればよいのか分からないまま、お互いに戸惑いながら働いた経験があるためです。
その経験を踏まえ、「現場で関わる人それぞれが働きやすい環境を築くためには、どんな情報が役に立つだろうか」という視点を常に持ちながら動画を選定しました。
症状の特徴や、避けたほうが良い言葉、接し方のポイントなどが、専門知識のない方にも分かりやすく伝わるかどうかを重視しています。
現場管理者がこうした知識を持つことで、私が経験したような相談できずに一人で抱え込む状況を減らせるかもしれません。
新しく入社される方を含め、誰もが働きやすくなる環境づくりにつながれば。そんな思いを持って、研修づくりに取り組みました。
青木さん:
私のほうで意識していたのは、個別支援だけに偏らないようにすることでした。
定着支援チームとして、日ごろは各拠点に在籍する障がい者採用の方々を訪問し、一人ひとりと向き合う面談を重ねています。
そうした個別支援はとても大切なのですが、専門職としてそこにだけフォーカスし過ぎていた部分があったのも事実です。
そのなかで上長からの「全体の底上げも重要である」という助言のもと、今回の研修づくりでは“マクロとミクロの両方の視点”を意識しました。
つまり、個々の社員への丁寧なケアを続けながら、同時に会社全体として、誰でもアクセスできる形で質の高い情報提供を行うこと。
その両輪が揃ってはじめて、どの拠点・どの上長であってもスムーズな職場定着につながる環境がつくれるのだと実感しました。
理解から始まる、安心して働ける環境づくり
今回は、障がい者採用の方をサポートする取り組みについて、奥井さんと青木さんにお話を伺いました。
障がい特性に限らず、一人ひとりの状態や背景を正しく理解し、日々の業務の中で無理なく実践できる形で情報や仕組みを整えていく。
そうした積み重ねが、現場での不安や戸惑いを軽減し、誰もが安心して働き続けられる就業環境につながると考えています。
SCSKサービスウェアでは、こうした考え方を基盤に、動画研修をはじめとしたさまざまな取り組みを通じて、環境づくりと個人の成長の両立を支えています。
その一員として、自身の力を発揮しながら働き続けたいと考える方は、ぜひSCSKサービスウェアへの応募をご検討ください。

