ITエンジニアとは？
ITエンジニアは、ITを使ってコンピューターやソフトウェアを動かすためのシステム設計や開発・運用をする技術者のことを指します。
ITに関する豊富な知識と技術が求められ幅広い業務を担うITエンジニアですが、工程によっていくつかの職種に分類され、それぞれが専門的な分野に精通したスペシャリストとして活躍しています。
代表的な職種として挙げられるのは、SE（システムエンジニア）・PG（プログラマー）・NE（ネットワークエンジニア）・サーバーエンジニア・データベースエンジニア・セキュリティエンジニアの6職種。
本記事では、各職種のITエンジニアが担う役割や仕事内容を詳しく解説！
気になる年収やITエンジニアを目指すうえで役立つスキルなどもご紹介します。
ITエンジニアの仕事内容
ITエンジニアと一言で言ってもその業務工程や内容は多種多様。
まずはITエンジニアの代表的な6つの職種の仕事内容について詳しく解説します。
SE（システムエンジニア）
SEの仕事は大きく分けて要求分析（ヒアリング）・設計・開発・実装の4工程に分類され、顧客の要望に合わせてシステムを設計し開発、実装するのが主な役目です。
ITエンジニアの業務工程の中では、いわゆる上流工程を担うポジションでもあるSEは、顧客のニーズを正確に把握したうえで稼働後の業務効率も考慮しながら設計・開発を進めなければいけません。
そのため、高度なプログラミング技術はもちろん、豊富な知識やコミュニケーションスキルも求められます。
PG（プログラマー）
PGは、SEが作成した開発仕様書をもとに効率的なプログラムを作成する役割を担います。
あらゆるプログラミング言語を駆使してシステムやアプリ、ソフトウェアを作成し、プログラム実装後のテストまで行うのがPGの主な仕事です。
業務が多岐にわたるだけに、開発に必要なプログラミング言語のスキルはもちろん、テストに必要な仕様書の作成や品質管理など幅広い知識が求められます。
また、PGとして培った経験やスキルは次のキャリアに進むうえでも役立てることができ、実際にSEやWebエンジニアの多くがPG経験者と言われています。
NE（ネットワークエンジニア）
ネットワークの設計構築から保守・運用までを行うNEは、目的や規模に合わせてデーターをスムーズに送受信する役割を担っています。
主にメールシステムやルーター、ファイヤーウォールなどのネットワーク関連システムを専門的に扱い、不正アクセスからネットワークを守るセキュリティ対策や障害が起きた際に原因を解明して復旧に努めるのもNEの役目です。
NEは、LANやTCP・IPなどの通信技術やサーバー・ルーターなどコンピューターの周辺機器の知識が求められる仕事ですが、近年ではクラウド環境に適応したネットワーク構築や設計スキルなど幅広い知識と技術が活かされる職種です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、データの保存や情報処理などのシステム運用を行うサーバーの構築や運用・保守業務を担うエンジニアです。
サーバーエンジニアの仕事は、OSやアプリケーションの選定といったソフト面の業務からサーバーの配線や設置といったハード面の業務まで多岐に亘り、時には障害やウイルスなどからシステムを守るため、24時間体制でサーバーの監視・運用を行うこともあります。
仕事の流れが似ているだけにNEと混同されがちですが、サーバーを動かすかネットワークを動かすかでアプリケーションも仕事のフィールドも大きく異なり、求められる知識やスキルも違うため注意が必要です。
データベースエンジニア
ITシステムを活用するうえで欠かせないのがデータベース。
私たちが日々活用しているシステムのバックエンドにはあらゆるデータベースが存在し、ビックデータなどの最先端技術もデータベースなしには成り立ちません。
データベースエンジニアは、こうしたあらゆるデータベースの設計・構築を行うだけでなく、データベースを作動させるインフラの管理なども行っています。
「データベーススペシャリスト試験」といった国家資格を取得することでスキルが認定されるため、データベースエンジニアを目指す方は取得を目指すと良いでしょう。
セキュリティエンジニア
システムの不正利用やサイバー攻撃からソフトウェアを守るためのセキュリティシステム開発を行うのが、セキュリティエンジニアです。
セキュリティエンジニアは、市場に常にアンテナを張り最新情報を収集しながらセキュリティシステムをアップデートすることで、サイバー攻撃などを未然に防ぐ役割を担っています。
また、万が一被害にあった際の対処を行うこともあります。
ITの進化とともに不正利用やサイバー攻撃問題は深刻化しており、セキュリティエンジニアのニーズは高まっています。
ITエンジニアの年収は？
企業の規模や雇用形態により差はありますが、厚労省の賃金構造基本統計調査によると、令和3年度時点でのITエンジニアの平均年収は573万9,000円（平均年齢39歳）。
平均月給は36万5,700円と、全職種の平均月給30万7,400円と比べても比較的高収入をのぞめる職種と言えるでしょう。
中でもSE、PG、NEなどの職種は高水準の傾向にあります。
また、ITエンジニアとして安定した収入を得たいとお考えの方は資格取得を目指すのもおすすめです。
IT関連の様々な資格を取得することで、さらなる高収入にも繋がりやすくなりますよ。
ITエンジニアに求められるスキル
ITエンジニアとして活躍するにはどのようなスキルが求められるのでしょうか？
ここからはITエンジニアを目指す上で役立つスキルをご紹介します。
プログラミングスキル
様々なシステムやソフトウェアを扱うITエンジニアにとってプログラミング言語の知識やスキルは不可欠。
企業や職種によって扱う言語に違いがあり、自分自身が携わりたい職種や業種のニーズにあった言語を身につけておくことが大切です。
また、ITエンジニア職未経験の場合は、プログラミングの基礎となるHTMLやJavaScriptから導入し、さらにJava、PHP、Rubyなども学習しておくと役立つでしょう。
コミュニケーション能力
ITエンジニアというと、パソコンと向き合う仕事とイメージされるかもしれませんが、実際には顧客との打ち合わせやプレゼンテーションなど直接カスタマーと折衝する機会も少なくありません。
中でもSEは、顧客の要望を正確にヒアリングしニーズに沿ったシステム開発が求められるため、コミュニケーション力が活かされる仕事。
また、技術職＝一人で黙々と仕事を進めると思われがちですが、ITエンジニアの場合チームでプロジェクトを進めることが多く、メンバーとの円滑なコミュニケーションも求められています。
マネジメント力
先述の通り、ITエンジニアの仕事はチームプレーが基本。
各々がそれぞれの役割を的確に進めることで円滑に開発が進められるのです。
そのため、人員配置や進捗確認など、チームを牽引するマネジメント力が求められるケースも。
もちろん最初からマネジメントを任されることはありませんが、自分よがりにならず常に周りを見渡しチームと協力し合いながら仕事を進める意識を持っておくことが必要です。
未経験からITエンジニアになるには？
高度な技術や専門的な知識が求められるITエンジニアの仕事ですが、実は「未経験歓迎」の求人も多く、経験がなくてもチャレンジしやすい職種でもあります。
ただし、ITエンジニアとして活躍するためには、未経験であってもプログラミング基本スキルや知識を身につけておくことが大切。
ここでは、未経験者からITエンジニアを目指す3つの道のりをご紹介します。
1.情報系大学・IT専門スクールに通う
優秀なITエンジニアの求人ニーズが高まっていることから、近年はITエンジニアとして即戦力を身につけるための専門スクールや大学が増えてきています。
時間もお金もかかりますが、こうした学校で学ぶことで確実に知識やスキルを磨くことができスムーズな就職活動にも繋がりやすくなります。
また、独学ではなかなか学ぶことのできない最先端技術に触れられたりコンピューターサイエンス理論を学んだりできることもスクールに通うメリットのひとつです。
2.実務経験を積んで身に付ける
知識や経験がなくとも「未経験歓迎」の求人に思い切って応募してみるというのも手段のひとつ。
仕事内容や難易度にもよりますが、企業によっては手厚い研修制度や資格取得支援制度などがあり、実務経験を積みながらITエンジニアとして成長できる可能性もあります。
ただし、未経験歓迎の求人の場合、若手の人材育成（年齢制限の例外事由3号イ）を目的としていることもありますので、ご自身が求人条件の対象となるかどうか確認が必要です。
3.独学で学ぶ
「スクールに通うだけの時間や費用をかけられないけれど、未経験で飛び込むのは不安…」と思われる場合は、学習サイトや書籍を使って独学でITの基礎を学ぶと良いでしょう。
書店にはプログラミングの入門書やIT初心者向けの教材などが数多く並んでいますし、Web上で学べる無料の学習サイトもたくさんあります。
独学で学ぶ際には、資格を取得したりや自己開発実績を残したりしておくと就職活動の際のアピールにも役立ちますよ。
まとめ
今やITは私たちの生活欠かすことのできない存在なだけに、ITエンジニアの市場価値は高まり求人数も増加傾向にあります。
また、高度なスキルや専門的な知識を要するITエンジニアですが、実は未経験歓迎の求人も多く、誰もがチャレンジできる職種。
「経験を活かしてさらにスキルアップしたい」という方はもちろん、「未経験だけどITの仕事に興味がある」「これからスキルを身につけたい」とお考えの方も、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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